あぁ懐かしき90年代アニメ秘話

90年代のアニメについて語っています

逆ハーレム要素・乙女ゲー要素が山盛りアニメ「ふしぎ遊戯」が大好きでした

テレビ東京で放送していた「ふしぎ遊戯」が印象深いです。

 

当時は小学生だったんですが、この作品で初めて異世界トリップものに触れました。それだけじゃなく今でいう逆ハーレム要素・乙女ゲー要素が山盛りで、少年漫画の王道的な熱いバトルもちゃんと盛り込まれているのが魅力的です。


ショタから女装男子、ハイスペックイケメンな皇帝から二面性ギャップ萌えまで、個性的なイケメンぞろいの朱雀七星士もたまりません!声をあてているのはいずれも90年代を代表する男性声優さん達、豪華キャストの熱演に滾ります。

 

主人公の美朱の前向きで頑張り屋な性格は応援したくなる


主人公の美朱の前向きで頑張り屋な性格は応援したくなりますしお団子頭のビジュアルも可愛い。鬼宿との恋愛模様にもドキドキしましたが、他の七星士のアプローチにも揺れる乙女心がたまりません。


もちろん伝奇要素も興味深いです。美朱がトリップするのは四神天地書という古い本の世界なのですが、この設定も斬新でした。全くの異世界ではない、本の中のもう一つの現実で冒険するという入れ子構造に本好きな自分は夢中になりました。
美朱の親友であり敵が戴く青龍の巫女である唯も非常にいいキャラをしています。ある誤解から親友だった美朱を激しく憎悪し、朱雀の巫女として国を救おうとする彼女をあの手この手で妨害するのですが、明るく朗らか、悪く言えば能天気な美朱とは対照的なこじらせクールビューティーな悪女っぷりにぞくぞくしました。

 

様々な人間関係の軋轢や確執、愛憎のドラマ


救国の目的に向かって突き進む同じ仲間である朱雀七星士の内部でも、様々な人間関係の軋轢や確執、愛憎のドラマが生まれます。
出自や性格が違えば当然対立も起こり得ますし、相性が悪くて反発し合うキャラクターもいますが、そんな彼らが敵との戦いや同じ苦難を乗り越える過程で固い絆で結ばれていくのに感動します。


どこにでもいる普通の高校生だった美朱が朱雀の巫女の使命を背負って成長していくのも素晴らしいですが、最初はばらばらだった朱雀七星士に激動の運命に揉まれるうちに絆が芽生え、美朱を守り戦う自覚が生まれていく尊さといったらありません。
特に私が好きなのは翼宿。
暴走族みたいにブイブイ言わせる山賊の頭領で三白眼・八重歯・関西弁と三拍子そろったネアカ、属性盛りすぎである種の性癖持ちには直球ドスレートなキャラクターです。初恋の人といっても過言じゃない位ドハマりして、彼の出番が多い回はテンションが上がりました。
来週の放送回が待ちきれず本屋に平積みされてた原作の単行本に手を出してしまったのもいい思い出です。

 

OPとEDも素晴らしい


OPとEDも素晴らしい。「無限へと~」の冒頭が耳に焼き付いて離れず風呂で熱唱していました。朱雀七星士はもちろん、敵である青龍七星士にも一人一人重い過去があって人間味あふれているのがまたいいです。唯に片想いしながら報われず終わった角宿や、唯を洗脳して美朱への憎悪を吹き込んだ黒幕・心宿など、朱雀七星士にも見劣りしない複雑な人間性や切ない葛藤で魅せてくれます。
印象に残っているのは柳宿の死亡回です。見た目はたおやかな美女で中身は姐御肌な男前ですが、そんな彼が美朱や仲間を守る為に死闘を演じ、力を出しきって絶命する姿は涙なしには観れません。


終盤にゆくにしたがいどんどん味方が死亡して心臓に悪い展開が続くのですが、どうか最愛の翼宿だけは死なないで……!と身勝手な想いに駆られてしまいました。
アニメの前半は朱雀七星士集めの旅路に尺が割かれるのですが、それぞれ特色のある各地を巡り、一人ずつ仲間を集めていくのが楽しかったです。七星士は身体のどこかに字(あざ)を持っているのが特徴ですが、それは限定的な状況でしか発現しない為、朱雀の巫女である美朱ですら実際その時にならないと誰が七星士なのかわからないのです。


故に人違いやミスリード、誤解を逆手にとった敵のなりすましなど展開が二転三転し、一体美朱たちはどうなってしまうのか、本当の七星士は誰なのかと興味が尽きません。

ふしぎ遊戯

ふしぎ遊戯



七星士を集め終えたあとはいよいよ紅南国と倶東国の戦乱が本格化して多数の犠牲者を出すのですが、そんな波乱含みの情勢の中で育まれる美朱と鬼宿の純愛、相思相愛の二人に理解を示して後押しする仲間たちの団結力に胸が熱くなります。とにかく敵も味方も魅力的で、しかもキャラクターが被ってないので誰か一人は必ず好きになれます。

 

まとめ


本の中の冒険と並行して現実のドラマが進むのも興味深く、美朱を見守り奔走する奎介と哲也のコンビ、白虎の巫女だった鈴乃の叶わぬ悲恋など、見ていて何度目を潤ませたことかわかりません。
美朱がけっして守られるだけのお姫様じゃないのも好感が持てます。愛する人や仲間たちが傷付くのを是とせず、自分ができる最大限の努力を惜しまぬタフな姿は、ヒロインなんて呼ぶのが気後れするほどパワフルで惚れ直します。
そして無事国を救い終えても本の住人と現実に存在する生身の人間、次元の隔たりという最大の障害が立ち塞がります。最後まで目が離せない最高のアニメでした。